|
2008.7.12開設。 ショートショートを中心として、たそがれイリーが創作した文芸作品をご覧いただけるサイトです。 できれば毎日作品を掲載したいと思ってます。これからも創作意欲を刺激しながら書き綴って参ります。今後ともぜひご愛顧ください。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 営業二課に配属されて以来、その日が来ることは覚悟していた。 PR
閻魔大王は目の前の男を凝視した。 「クローン人間を作りたいとおっしゃる方は多いですよ・・・ええ、あなた様のように、財を成された企業の社長さんとか・・・もちろん、法的にグレーな部分はありますが、当研究所では法律専門家をそろえておりますので、問題はありません」 「もしもし、総務課の田辺をお願いしたいのですが」 … 「お待たせしました。田辺はあいにく忌引休暇を取っております」 「名前は結構です。田辺の父方の祖父から電話があったとお伝えください」 いつもより30分ほど遅くなって、妻は帰宅した。 「最近の車ってすごいわね。エアバッグでしょ、ABSでしょ・・・安全性が格段に高まっているのね」 何をいきなり言い出すんだ。 「そこで事故しちゃったのよ。出かけようにも車が動かないのよ」 お願いです。 「お安い御用だ」 おお! 「これで満足したか」 ええ。 最近の世の中はひどいものだ。 「あ、そう」 「スパイ13号。お前を日本に送り込んだ成果を聞かせてもらおう」 「少しお時間をください。4ヶ月ほどすれば生まれて来ますので」 兵士たちは口々に言った。 そのころ、皇帝はいつものように前線にいた。 「何を言うか。前線がどんどん城に近づいているではないか。心配でいてもたってもいられぬよ」 「あなた、その右手につけている機械が何か、もちろんわかるわよね」
「・・・嘘発見器だろ。まったく、疑り深い」 「あなたが浮気してるって話を聞いたから、借りてきたのよ。本当のことを言ってもらいますから」 「・・・どうぞお好きに」 「じゃあ1つだけ聞くわ。『あなたは浮気をしていますね』」 「No!」 「・・・針が振れてるわよ。やっぱり浮気してるんじゃないの!」 「こ、こんな機械で真実なんか、わかるわけないだろう!」 「ああ! 針の振れ具合がどんどんあがっていくわ! なんてことでしょう!」 「だから、こんな機械で・・・」 「わかるわよ! ああやっぱり、あなたは軽薄な人間だったのね・・・」 「そ、そういうお前も、俺のいない間に、あの男と寝たんだろう! 俺は知ってるんだ!」 「何を苦し紛れに言ってるのかしら。気でもふれたの?」 「・・・そうか。じゃあ俺の話の前に、お前の額から流れだした脂汗の原因を説明してもらおうか」 「最近、うちの猫が姿を消してしまってね」
「おや奇遇だね。我が家のジェフリーもいなくなってしまったんだよ」 「犬も猫もですか。我が家はハムスターがいなくなってしまいました」 「あら、うちは家の中のねずみが居なくなってしまったんですのよ。衛生上はよろしいのですけど、気味が悪いわ」 「それはきっと、天災の前触れかも知れませんなぁ」 「町内会長さん、そんな洒落にならない冗談を」 「いやいや、新潟の地震の時も、北海道の地震の時も、発生の前にあらゆる小動物が姿を消しましてね・・・あながち、冗談だとも言い切れないですよ」 「ついに関東大震災がくるのかしら・・・」 「帰って備えを万全にしておかないといけないな」 そのころ、日本国内のあらゆる海岸で、小動物が泳ぐ姿が目撃されていた。 『日本が危ない』と泣き叫びながら荒波に身を任せる犬や猫たちの言葉は、人間たちに届かなかった。 『住居完備・食事無料サービス・インターネット使い放題・CS放送無料視聴』
このご時世で珍しい、正社員の求人。 勤務地が不特定・・・つまり、転勤があるのであろう。 でも、こんなに特典ばかりを並び立てている求人は、果たして真実なんだろうか? ネットカフェ難民だった自分を変えたい一心だった僕は、早速無料求人誌を片手に、その会社を訪れた。 「いやね、ほんまは、広告には書いてへん特典が、いっぱいあるんですわ」 関西弁の訛が抜けきらない担当マンが、笑いながら言う。 じゃあ、他に何があるんですか。と唐突に聞けば、担当マンの饒舌が始まる。 「冷暖房完備・・・6LDK住居、それにサウナ完備。ダイエット用のマシーンもありますし、最新ゲーム機や大型液晶テレビとかの、いわゆるデジタル家電ですな、それもすべておますねん」 ですから、即決でっせ。これだけついていて・・・実は、在宅勤務ですねん。 よぉするに、これだけの環境がついていて、給料・・・と言うか、収入はがっぽりもらえます。どうでっしゃろ? ここまで言われたら、僕は迷うことがなかった。 持参した三文判を机の上に取り出し、さっそく雇用契約書にサインし、押印する。 前金として100万円を現金で受け取った僕は、ほくそえむ担当マンに尋ねる。 「で、在宅勤務って、パソコンでなにをやるんです?」 「それについては、実際に勤務地でお話しましょ。これ、勤務地までの地図です」 翌日の朝。 僕は指定された時間に、地図を片手に勤務地へ出向く。 昨日の担当マンが、昨日より満面の笑みを浮かべて、僕に鍵を手渡す。 「まあどうぞ、これが勤務地ですわ。近未来感覚の、ブロックライクな住居ですねん」 「へぇ・・・なんだか、面白い形ですねぇ・・・」 「中はもっとすごいんですわ。まあ、どうぞお入りになってください」 ガチャリ。 真新しい玄関の鍵を開け、僕は新築の香りがする家の中に入る。 ガチャリ。 背後で、玄関が再び閉まり、担当マンが『忘れ物しましたよって、すぐ戻ります』と聞こえる。 まあいいや・・・これでネットカフェとも、おさらばだ・・・ 「そういうことだったんですか。私の時も、まったく同じです・・・」 女はソファーに腰掛けながら、スカートの丈を気にしながら、腰掛ける。 「おいおい君、そんな格好だと、見られてしまうよ」 「あ・・・」 「まあいいか。君と僕、つまり男と女を同居させると言うことは・・・生殖風景も貴重な鑑賞のネタになるんだろうね」 「・・・」 動物園の『ニンゲン』として鑑賞される生活を送り続けて、早4年。 外界のニンゲンとやらは、だんだん刺激が足りなくなってきたようだ。 そんなことを考えて途方にくれる僕と女を、小さな子連れの家族一行が、指差して叫んでいた。 「ママ、パパ! ニンゲンって、ナマケモノよりも、怠けてるんだね!」 男は懇願した。 「あれから新システムの調子はどうかね。少しは我が社の生産効率は向上したかね」
新工場を訪れ、こう尋ねた社長に、工場長は胸を張って答えた。 「もちろんです。我が社のシステムは完璧です・・・我が社が独自に開発した・・・」 「口上はいいから、早速現場を見せてもらおうか」 工場長は作業場が見渡せる2階の渡り廊下に社長を案内した。 「助けてくれえ・・・」 「サギョウコウリツ、テイカ。デンリュウヲナガシマス」 「もう休みたい・・・」 「サギョウコウリツ、テイカ。デンリュウヲナガシマス」 「このままじゃあ・・・殺される!」 「サギョウコウリツ、テイカ。デンリュウヲツヨメマス」 社長は息を飲んだ。 工場長は胸を張って現状を説明する。 「こうすれば人間、怠けることはありません・・・まさに、会社のために最高の、凄惨管理システムです」 コーラを飲みたいといったら、オカンに叱責された。 「看板見てきました。癒しの空間だそうですね」
「まあ・・・癒しというか、楽になるって言うか・・・自然なようで、不自然な」 「すごく謙虚でらっしゃいますね」 「看板にウソはつけませんから」 「で、既に癒しの空間って言うか、癒しの空気を発散させてるんですか・・・それにしても・・・なんか、臭いません?」 「慣れてますから。それに、案外この臭いがいいって方もいらっしゃいますしね」 「いや、そうはおっしゃるんですが・・・なんか、頭がぼーっとするって言うか・・・アロマテラピーって、こんなもんなんですかね?」 「アロマテラピー? うち、そんなものやってませんよ」 「え? でも、看板に書いてるじゃないですか・・・」 「ええ。書いてますよ。『パロマテラピー』って」 男は、女の長い髪に似合う髪飾りを買うことにした。 「幽霊でも、出るんじゃないだろうね?」 「パパ、ドーナツ下さいなぁ」 0
この前の日曜日に2歳になった、息子が私に寄りかかってくる。 ああ、いいよ。私は読みかけの新聞を放置し、準備をはじめる。 「はい、お道具」 最近、息子はドーナツを作る道具を覚えたようで、きっちりと私に道具を手渡す。 台所の傍らでは、身重の妻がいぶかしげな顔をして”こっちに来るな”と目で釘を刺す。 「パパ、ドーナツ」 息子の催促に、私はいつものように手際良く、ドーナツを作り上げる。 「パパぁ、パパのドーナツは、いくらするのぉ」 目の前に作り上げられるドーナツを見て、息子は尋ねる。 私は笑顔で答えた。 「今は、1箱300円だね。どうせ、大人の都合で、1箱500円ぐらいになるんだよ」 マイルドセブンの空箱をごみ箱に投げ入れながら、私はさらに作り笑いをした。 「山田選手、メジャー挑戦を途中で断念され、緊急帰国とのことですが」 |
▼ カウンター
▼ フリーエリア4
カスタム検索
▼ カレンダー
▼ プロフィール
HN:
たそがれイリー
年齢:
50
性別:
男性
誕生日:
1975/07/16
▼ 最新記事
(05/09)
(05/03)
(05/03)
(05/03)
(04/29)
(04/29)
(04/29)
(04/25)
(04/25)
(04/25)
(04/17)
(04/17)
(04/17)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/04)
(04/04)
(04/04)
(03/24)
▼ 最新TB
▼ 最新CM
[04/29 hikaku]
[03/13 ごま]
[10/16 melodies]
[09/18 sirube]
[09/16 よう子]
▼ 忍者アド
▼ ブログ内検索
▼ アクセス解析
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||